ヒラスズキの群泳 動画撮影に成功!

宇井 晋介 PRO

■時期 ・・・ 8月1日
■場所 ・・・ 和歌山県 串本海中公園センター沖合

そろそろ春シーズンのヒラスズキ。
これから水温が上昇するにつれて産卵を終えた個体が積極的にルアーを追う。
時には水面に全身を現してルアーに襲いかかるヒラスズキだが、ありそうでないのがヒラスズキの水中での姿。
何といってもヒラスズキはスズキに比べて生息圏が狭く、個体数も少ない。
おまけに無類の警戒心の強さで人を寄せ付けない。
現れる場所もサラシが出るような磯場で、ダイバーにも敬遠される様な場所ということで、これだけダイバーが溢れる時代にも、ヒラスズキの水中映像というのは皆無に近いのである。
私も過去にダイビング中に何度か水中でヒラスズキに遭遇したことがあるが、大型は全て一瞬で視界の外に消え、じっくりと観察できたのは体長20㎝位までの幼魚だけであった。

ところが昨年6月27日午前、串本海中公園センターの沖合に立つ海中展望塔にヒラスズキの群れが出現したのだ。

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この塔は水深6.3mの海底に立ち、周囲はサンゴが繁る岩礁。
波があるときには隣にある岩の背後にサラシができ、ヒラスズキ視線でサラシを下から観察する事ができる。
当日観察できたヒラスズキは9匹。
体長は60〜70㎝の中型と言える個体。
海中展望塔は40年も海底に立っているため、水中の外壁にはサンゴを初めとする様々は生物がびっしりと成育し、ちょっと見には建造物とわからないくらいである。

そのため、魚たちも全く人間を警戒しない。
ということで当日はじっくりとこの群れ行動を観察することができた。

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彼らはこの展望塔の住人メジナに交じりゆったりと時間を過ごしていたようだが、午後になると視界から消えた。
当日は台風5号の余波で25日に大荒れとなりまだ余波が残っていた。
水中透視度は5〜8m前後。
画像をしっかり記録したと思った直後、動画を撮り忘れていたことに気づいて愕然としたのである。
滅多にない機会を逃してしまった。

しかしつい先日になってラッキーなことに当日私の電話でヒラスズキを見に来た釣友
のO君が動画に納めていたことを知ったのである。
これはシーバスアングラーにとって本当に貴重な動画!


人間を全く警戒していないヒラスズキの群泳が見られる恐らく世界で唯一の動画である。
ヒラスズキがキビナゴに反応しているシーンも写っている。
O君ありがとう!